研究課題
基盤研究(C)
本研究は、酸化物高温超電導マグネットの交流損失の電気的計測法について検討したものである。平成15年度は、主として計測対象の酸化物高温超電導線マグネットの製作を行った。これと並行して、冷却系の構築並びに試作の超電導マグネットの超電導状態の確認などを実施した。平成16年度はこれらに続いて、酸化物高温超電導マグネットの交流損失に関わる位相差計測用の電子回路を重点的に検討し、それらの回路を用いて実際に超電導マグネットの位相差計測を実施した。コイル電圧と電流の位相差を計測して、電気的に交流損失を評価するものであるが、以下に示す(1)〜(3)の電子回路を検討した。(1)オペアンプを用いた位相差計測:超電導コイルの電圧と電流の位相差は90度に近いため、電圧信号の位相差を90度進め、微小の位相差にして計測する回路を製作した。計測結果はロックインアンプによる結果とも比較的に良く一致し、この回路の精度は十分高いことが認められた。(2)乗算器を用いた位相差計測:電圧と電流信号の乗算を行い、その出力に含まれる2倍周波数成分を低周波のバンドパスフィルターで除去して、直流分のみにする方式である。その直流分の大きさから、位相差を計測するものである。計測結果は比較的良好であった。(3)一部デジタル化した位相差計測回路:(1)の方式とほとんど同じである。しかし、全てアナログ方式であると、内部の信号が最小となるような微調整回路が必要であるため、その微調整を自動化するためにVerilog-HDLを用いたデジタル制御部を設計した。このデジタル制御部の設計回路をFPGAに実装し、位相差計測を実施した。実験では、デジタル部の信号がアナログ部へ雑音として入ったため、測定精度が若干低下した。以上、(1)〜(3)の位相差計測回路を検討し、一応の成果が得られた。特に、(1)の方式においては、実用的と考えられる結果が得られた。
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電子情報通信学会総合大会 A-1-23(CD-ROM)
19th International Conference on Magnet Technology(MT-19) Genoa, Italy (平成17年9月発表予定) THA03P003(発表予定)
Proceedings of the 2005 IEICE General Conference A-1-23 (CD-ROM)
19th International Conference on Magnet Technology (MT-19), Genoa, Italy, THA03PO03 (to be presented
電気関係学会 九州支部連合会大会講演論文集 01-2P-15(CD-ROM)
Record of 2004 Joint Conference of Electrical and Electronics Engineers in Kyusyu 01-2P-15 (CD-ROM)
電子情報通信学会 第11回九州支部学生会講演会論文集 C-18
ページ: 67
Proceedings of 2003 IEICE, 11th Conference for Students in Kyusyu C-18