研究課題
基盤研究(C)
スイッチングデバイスを用いた電子機器への入力電流の高調波抑制の回路技術については様々な方法が提案されている。本研究では、照明用機器に対するIEC規格のクラスCを満足する電子安定器を開発し、その回路動作の解析や実験を行なうことで一般の電源回路への応用可能性を探ることを目的とした。計画期間の初年度においては、プッシュプル型インバータにチャージポンプ機能を回路に付加することで、高調波規制をクリアできる電子安定器を開発した。これは回路内の定電流インダクタにおいて発生する高周波電圧を入力電源と並列に配置した2個の小容量コンデンサーの中点に印加することにより、2個のコンデンサーに充放電を繰り返させ、入力電源電圧が低い場合においても、回路内へ電流を取り込むことを可能にしたものである。2年目は、高調波を抑制する新たな回路方式の電子安定器を開発した。これは、従来筆者らが提案している中性点形昇圧コンバータを1)降圧型や2)昇降圧型に改良し、これらを利用した照明用電子安定器を開発したものである。これは、昇圧型に比較し、より耐圧が低い回路素子を利用でき、低コスト化ができた。入力電流の高調波はIEC規格を満足し、出力波形のリップルも小さく、高力率であることも実験的確認できた。これらの結果は、国際学会でも発表した。さらに、前年度開発したチャージポンプ機能を付加したプッシュプル型インバータ回路の動作解析を行い、プッシュプル型電源回路へ応用することの可能性も検討した。これは、店舗の棚照明などの一箇所に複数個設置されているランプに対して、一括した電子安定器を作ろうとしたものである。一応の成果が得られたが、発表すべく実験中である。
すべて 2004 2003
すべて 雑誌論文 (12件)
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電気・情報関連学会中国支部第55回連合大会講演論文集
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