研究概要 |
今年度,平成16年度に得られた成果について項目別に示す。 1.風車からの特徴信号収集と状態診断法の開発について (1)風車からの特徴信号データ収集については,小型風車を設置し加速度振動ピックアップから風車運転時における振動信号データを計測・収集するシステムを構成し,Wavelet変換手法を適用して,振動信号により風車の状態診断を行うプログラムを開発した。 (2)状態診断法については,風車翼の破損や着氷雪を想定して,正常状態とアンバランス状態で風車を回転し,各状態で計測した振動信号をWavelet変換により信号解析し,正常状態と異常状態を判別するための特徴信号を抽出する手法を開発し検討を行った。異常状態の判別については,ニューラルネットワークを応用した手法で構成し,その有効性を実測した振動信号を用いて検討した。 (3)これらの成果については,電気関係学会四国支部連合大会と信号処理に関する国際会議(Nonlinear Circuit and Signal Processing in Hawaii)にて発表を行った。 2.「オンライン-状態判別プログラム」開発と組み込みの試作について (1)データ収集から状態判別を行うまでの処理は,バッチ処理にて有効性を検討している。現在,オンライン-異常診断装置の開発のために,DSP (Digital Signal Processor)を用いたプログラム開発ならびに,割り込み処理のための状態診断法の演算実行時間短縮用プログラム開発を検討している。 (2)来年度は,振動信号と制御装置との間のデータ通信を行い,開発したWavelet変換による特徴信号抽出法とニューラルネットワークを用いた,風車の運転状態判別法のオンライン診断の検討を行う予定である。
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