研究課題
サブバンド間遷移レーザとしては、窒化物半導体量子井戸サブバンド間遷移を利用する中赤外領域の量子カスケードレーザの開発をめざして、サファイア(0001)基板上へ高品位[(AlN)_1/(GaN)_<n1>]_m/(GaN)_<n2>量子井戸の作製研究を行った。高解像度透過電子顕微鏡による測定から1原子層のAlNが周期的に挿入された(AlN)_1/(GaN)_<n1>短周期超格子構造が明確に確認された。また、エンベロップ関数近似による量子カスケード構造のサブバンド構造計算プログラムも開発し、中赤外領域及び近赤外領域の量子カスケード構造の設計も行った。さらに、GaNテンプレート基板上及びGaN基板上への量子カスケードレーザ構造の試作も行った。上述のデバイスでは窒化物半導体量子井戸に現れる巨大な分極電界を利用して励起サブバンドへ電子注入を行うが、この研究に付随して、この分極電界を利用する共鳴トンネル電子放出素子構造の提案もおこなった。バンド間遷移レーザとしては、電流注入型PbSrS/PbSダブルヘテロ構造レーザや光励起PbSrS/PbS単一量子井戸レーザ作製とPbS/SrS多層膜反射ミラーを用いた垂直キャビティ構造を試作した。試作したキャビティ構造の透過特性には明確なキャビティモードが確認された。また、2周期の多層膜反射ミラーにより100%近い反射率も得られ、この構造がAlN/GaN系量子カスケードレーザの端面反射ミラーとしても有効であることがわかった。
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Appl.Phys.Lett. (掲載予定)
日本赤外線学会誌 (掲載予定)
J.Cryst.Growth 265
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Physica E 21
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