研究課題/領域番号 |
15560278
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
原田 直幸 山口大学, 工学部, 助教授 (00222232)
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研究分担者 |
浜島 高太郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00314815)
津田 理 山口大学, 大学院・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 助教授 (10267411)
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キーワード | 臨界電流 / 超伝導線材 / 磁束ピンニング / 微細加工 / 量子化磁束 / ナノテクノロジー / ニオブ / 薄膜 |
研究概要 |
超伝導現象をエネルギー分野に応用するには、無損失に流すことができる臨界電流密度を向上させる必要がある。このためには、磁場中で電流を流すときに生じるローレンツ力によって動こうとする磁束線をピン止めしなければならない。実用的な材料である第2種超伝導体において、材料内部で量子化された磁束線は、磁束密度に応じてその間隔が変化するため、この磁束線の間隔と同じスケールで、不均質な構造を作ることが重要となる。これまで、塑陸加工が可能な金属系の超伝導体では経験的に熱処理や組成加工を行って、ピンニングセンターの導入を行ってきた。一方、電力送電ケーブルなどへの応用の期待が高まっている酸化物超伝導体には、従来の組成加工を用いた方法ではピンニングセンターを導入することは困難である。 そこで本研究では、実用的な超伝導体の臨界電流密度特性を向上させるため、超伝導薄膜に人工的なピンニングセンターとして微細加工技術を用いて導入し、その特性の評価を行った。サファイヤ基板上に厚さが0.5μmの超伝導Nb薄膜を電子ビーム蒸着装置を用いて作製して、2μmから4μmの周期の溝状またはホール状のピンニングセンターをフォトリソグラフィーにより導入した。その結果、理論的に予測したように加工周期に反比例し、加工深さに対して比例して時価が増加することを確認し、超伝導膜の臨界電流密度が増加することを示した。また、磁化の時間変化を長時間測定することにより、ピンポテンシャルが加工深さに対して増加することを確認した。
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