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2004 年度 実績報告書

大電力高周波窓での帯電の温度依存性と沿面放電抑止のための帯電最小化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15560286
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

道園 真一郎  高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (80249903)

研究分担者 齊藤 芳男  高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (00141979)
小林 信一  埼玉大学, 工学部, 教授 (40008876)
キーワード二次電子放出 / 沿面放電 / 高周波 / セラミック / 高温 / TiN
研究概要

TiN薄膜コーティングについて二次電子放出係数の温度依存性および帯電の温度依存性の測定を行った。
市販のアルミナセラミックおよび単結晶アルミナであるサファイアに、TiN薄膜をコーティングしてその二次電子放出および帯電の温度依存性を測定した。膜厚は通常の高周波窓で使用されている1nmを中心として、0.2-2nmのコーティングを行った。
試料は直径19mm、厚さ1mmのものを用意した。測定には走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。二次電子放出係数はパルスビーム法で、また、帯電の評価はSEMのビームを同一点に複数照射する「マルチパルス法」を採用している。いずれの場合も、一次電流は100pA、1msであり、複数パルス法では1ms毎に5発あるいは照射間隔を次第に長くしていった。
結果として、0.2nm程度の場合は、下地のアルミナの二次電子放出特性が現れるが、コーティングが厚くなると下地のアルミナとは関係ないTiN自身の特性が現れることがわかった。また、高温ではTiNの帯電はほとんど見られなかった。この傾向はアルミナセラミック単体の場合と一致している。二次電子放出係数は高温では1割程度低くなるが、これはTiN単体の場合に観察されるものと同様であることが確かめられた。通常の金属では高温になると格子振動のために電子の平均自由工程が短くなりこのために二次電子放出が下がるとされている。TiNについても同様に説明がつくと考えている。
TiNコーティングは2nm程度まで厚くするとTiN自身の特性が現れるが、通常の高周波窓コーティングのような条件の場合はTiNコーティングと下地のアルミナの双方の特性を合わせた結果が現れることがわかった。二次電子放出を下げ、帯電を抑えるような最適なコーティングを行うためには下地のアルミナに合わせたコーティング厚を選択することが重要であると思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 複数パルス電子照射法によるアルミナからの二次電子放出2005

    • 著者名/発表者名
      道園真一郎 他
    • 雑誌名

      真空 48・3

      ページ: 145

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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