研究課題/領域番号 |
15560297
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
粟井 郁雄 山口大学, 工学部, 教授 (20026074)
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研究分担者 |
真田 篤志 山口大学, 工学部, 助手 (20264905)
久保 洋 山口大学, 工学部, 助教授 (50205126)
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キーワード | 誘電体共振器 / マイクロ波共振器 / イメージ形共振器 / 無負荷Q / 放熱特性 / 電磁界シミュレーション / 共振器実装 / 帯域通過フィルター |
研究概要 |
本年度はイメージ形誘電体共振器の無負荷Q値向上を目指し、理論及びシミュレーションによって共振器支持法の最適化を図った。イメージ形共振器はディスク形TE_<01δ>モード共振器を出発点として、ディスクの直径に沿って2つに切断したものを金属面上に載せる事によって実現した。このモードの電気力線は同心円状であるから上記のような180°の扇形ではなく任意の小さい角度の(例えば90°、30°などの)扇形に切断して金属ではさむ事によって同じ周波数で共振させる事ができる。しかしその時は金属面の渦電流により大幅なQ値の低下に見舞われるため、我々は18°を選択した。 このままでは既知のイメージ形誘電体共振器であり、180°であっても上述のような渦電流によるQ値の低下が生ずる。例えば7GHzにおいて40000のQ値は7000程度にまで下ってしまうので、放熱のため金属面との接触を保ちながらQ値をいかに回復させるかが新しい課題となる。市販の電磁界シミュレータを用いて各種共振器支持台に対して共振周波数及びQ値がどの程度向上するか検討を重ね、現状では薄い誘電体シートを金属上に置き、半月状のディスク共振器の切断面に極く短い脚部を設ける(足の短いキノコ状にする)のが最も良い事がわかった。この方法により5GHzで8000程度に下ったQ値を1.5倍の1万2000くらいに回復できる事をシミュレーショ'ンにより見出し、最終的に実験により確認した。 次にこの共振器を2ケ用意しBPFを作製する作業に入った。まずBPF設計の基本である外部Qと相互結合係数kのデータを種々のパラメータに対して取る必要があり、これは前述のシミュレーションソフトを用いて実施した。フィルターの筐体を設計し、励振法を種々検討してスプリアスが出にくい方法を探したが現状では未だ満足できる結果は得られていない。しかし2段BPFはともかく実現しフィルター動作をする事まで確認できた。
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