研究課題/領域番号 |
15560297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 龍谷大学 (2004) 山口大学 (2003) |
研究代表者 |
粟井 郁雄 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20026074)
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研究分担者 |
久保 洋 山口大学, 工学部, 助教授 (50205126)
真田 篤志 山口大学, 工学部, 助教授 (20264905)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 誘電体共振器 / スプリアス特性 / イメージ型共振器 / 無負荷Q / 電磁界シミュレーション / 帯域通過フィルター / 結合係数 / 放熱特性 |
研究概要 |
誘電体共振器を各共振モードの電磁界分布に従って分割すれば、電気力線と分割面が直角のときはその空隙に電気エネルギーが集中するため損失が減少し無負荷Qが上昇する。しかしその共振周波数も大きく上昇する。これらの現象を利用してマイクロ波バンドパスフィルタ(BPF)の特性向上を図った。まず所要モードにこの現象を適用すれば通過域の損失低減が期待され、不要モードに適用すれば所要モードの共振周波数がほとんど変化しないのでスプリアス特性の向上が期待できる。計算機シミュレーションによってそれらの特性を詳細に調べ、いくつかの簡単な実験によって確認した。 次に共振器の小型化と放熱特性の向上のため適用される共振器のイメージ構造は、接触する金属の渦電流によってQ値を悪化させることが知られている。そこで上述の空隙の適用をここでも行い、誘電体損に加えて渦電流損の削減にも成功した。7000程度にまで低下した無負荷Q値を2倍程度に上昇させうることがわかった。 以上の知見を利用して高性能なBPFを試作する中で、共振器間の結合係数を所要/不要モードの両者に対して適切に制御することの重要性が明らかになったため、その方向にも研究を発展させることとした。結合モード理論を利用して考察を進め、共振器間のエネルギー交換周期、電磁界の重なり積分の差、誘電分極の励振強度、エバネセント領域における電気・磁気エネルギーの差などさまざまな方法で結合係数が表現できることを見出した。今後これらの方法を駆使して、各モードの結合の物理に基づき適切な結合強度の制御を行うことができると考えている。
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