1.視差光線再生方式3次元ディスプレイシステムの視域を広げるために、広い画角を持ったHOEスクリーンを作製する手法を確立した。100°程度の視野角をもった大型のHOEアレイと超高解像度の2次元ディスプレイとしてのディジタル・マイクロミラー・デバイスを用いたプロジェクタを組み合わせることにより、視域角56°の広視域の視差光線再生方式3次元ディスプレイシステムを試作した。試作システムでは、HOEスクリーンの元になるHOEは100°程度の画角を持っているが、2次元ディスプレイの画素数との兼ね合いで、表示角度は56°に限定した。 2.より広い視域と視野、ディスプレイからの大きな飛び出し量を得るために、多画面の視差光線再生方式3次元ディスプレイシステムを提案した。この手法の原理確認のために、HOEスクリーンを2枚用いたシステムを試作し、HOEスクリーンを1枚用いたこれまでのシステムと比較し、視域、視野、表示画像の画質、飛び出し量の比較および画面の継ぎ目の処理の検討を行い、多画面化によって、視域、視野角、飛び出し量が大きくなることを確認した。 3.複数の視差画像を撮影し、得られた視差画像群を用いて3次元像を表示するための視差光線データを生成する3次元画像入力システムを提案した。少ないカメラ数でシステムを構成するために、データの補間手法も合わせて提案した。この手法の原理確認のために、9台のCMOSカメラを用い、カメラ撮影から3次元画像表示まで約1秒で行うことができ、提案した手法の有効性が確認できた。また、任意視点からの3次元画像を表示する手法を提案し、原理確認を行った。
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