研究概要 |
RF-MEMSデバイスは高性能かつ省エネルギー性に優れ、ユビキタスネットワーク社会のデバイスとして、実用化が期待されている。可変機能RF-MEMSは可動するため、その過渡的振る舞いの数値解析は困難であり、その詳細な設計・開発のため解析支援技術の構築が強く望まれている。そこで本研究では、移動境界適合座標系という座標変換法を用いた解析法を提案している。この手法を用いることで、これまで困難であった運動する物体の電磁界数値解析が可能になった。今年度は、ばねの力とクーロン力より求まった加速度により電極が運動するので、加速度を求めこれを用いた電極板の運動と静電容量の関係を求め、その過渡的現象を明らかにすることができた。この成果は、2004年3月のPIERS2004(Progress of International Electromagnetic Research Symposium),2004年4月のACES2004(Applied Computational Electromagnetics Society),2004年6月IEEE APS2004(Antenna & Propagation Society),2004年9月に電気学会電磁界理論シンポジウムで発表し、2005年4月のIEEE/ACES2005でも発表予定である。論文誌では2003年3月の電気学会論文誌をはじめとして、2004年1月に電子情報通信学会誌に、2004年3月にACES Journal(Applied Computational Electromagnetics Society)に掲載されている。さらに、複数の周波数帯で使用できるMEMSアンテナを提案し、数値解析を行った結果、求めたS11パラメータより可動部を持つマイクロストリップアンテナは、複数の周波数で使用できることを確認できた。この結果は、2005年3月の電子情報通信学会総合大会で発表予定である。
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