研究概要 |
1 3次元有限要素法による記録磁界解析 有限要素解析プログラムを用いてサイドシールド,テーパー形状の主磁極,テーパー形状のリターンパスを有する単磁極垂直磁気記録ライトヘッドのトラック幅,ポール厚さ,磁気スペーシング,媒体厚さ,2層媒体裏打ち層厚さ,軟磁性材料の飽和磁束密度などを考慮して,単磁極ヘッドの記録磁界計算を行った.その結果,両側にテーパーのある主磁極を有する単磁極ヘッドは,同様の条件でこれまでに報告した最大記録磁界18.0kOeを20%以上上回る22.5kOeを発生することを明らかにした.ただし,主磁極のスロートハイトによって記録磁界強度が大きく変わる点は実際面で問題となり得るので今後の検討が必要である. 2 LLG方程式を解くことによる記録ポール部分のマイクロ磁化解析 マイクロマグネティクス解析プログラム(LLG Micromagnetics Simulator)を用いて単磁極ヘッドのポール部分,サイドシールドおよび2層媒体のモデリングを行った.ポール部分の磁化の挙動が明らかになったが,今後は記録ヘッドの記録磁界として評価する方法,材料定数を変えた場合などの検討を行う予定である. 3 発生する熱により記録素子の温度が上昇する過程の解析 有限要素解析ソフトウェアを用いて記録素子の熱伝導解析を行い,コイルにより発生する熱により温度が上昇する様子をいろいろな条件に対して求めた.今後はコイルなどから発生する熱,周囲の温度によって記録素子が膨張する過程を解析する予定である.
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