研究概要 |
1)3次元有限要素法磁界解析計算により400 Giga bits per square inch(Gb/in^2)を実現するための書き込みヘッド構造を提案し,Landau-Lifshitz-Gilbert(LLG)マイクロマグネティクス計算により記録トラック幅,信号対雑音比,磁化パターンを求めた.その結果,400 Gb/in^2を実現するためには,サイドシールドおよびトレーリングシールドはトラック密度および線密度を実現するために必須であり,ヘッドパラメータではないが,ヘッド表面(air bearing surface : ABS)から媒体裏打層までの距離を小さくすることが重要であることを述べた. 2)構造を単純化したSPT(single-pole-type:単磁極)ヘッドおよび2層媒体の系全体をモデル化し,LLGマイクロマグネティクス計算を行い,サイドシールドの構造による記録磁界の時間応答,主磁極の面積,スロートハイトおよび磁気特性による記録磁界の時間応答および隣接トラックへの漏れ磁界などを求めた.マイクロマグネティクス計算でもサイドシールドは隣接トラックへの漏洩磁界を抑えるために効果的であるが,記録磁界の強度を低下させ,また応答を遅くすることが懸念されること,面積の小さい主磁極は応答が遅いこと,スロートハイトを短くすると応答が改善されること,などを述べた.さらに,一般的な32ビットマシン(OS: マイクロソフトウィンドウズ)はメモリー空間の実質的な上限が2 GBであるため実用的なモデルを解析できないこと,計算時間が1週間以上かかること(3.06GHz Xeon dual processor, RAM:4 GB)などの問題が生じた.計算時間および計算機メモリーは当初から問題となることが予想されていたが,これらは学術的な問題ではないが研究を遂行する上で重要であるから早急に解決せねばならない.
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