• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

光活性機能アモルファスTiO2薄膜の創成と環境センサーへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 15560312
研究機関愛知工科大学

研究代表者

畑中 義式  愛知工科大学, 工学部, 教授 (60006278)

研究分担者 神藤 正士  静岡大学, 工学部, 教授 (60023248)
大道 学  愛知工科大学, 工学部, 講師 (20291875)
伊藤 敏  愛知工科大学, 工学部, 教授 (80130946)
キーワード酸化チタン / TiO2 / プラズマCVD / 光触媒 / 浄化作用 / 酸素センサー / 環境材料 / 超親水性
研究概要

マイクロ波リモートプラズマ法を用いて酸素水素の混合ガスプラズマによって生成された励起種、主として中性ラジカルを作用させて有機チタン(チタニウムテトライソプロポキシド(TTIP))から酸化チタン薄膜を堆積する反応過程が前年度に引き続いて研究された。TTIPの分解膜化プロセスに水素の原子ラジカルは反応を加速させること、OHラジカルは反応を抑制させることがわかった。得られた薄膜はアモルファス状態であり、膜中には多くのOH基を含むことが、FTIRの解析から明確に示された。これをa-TiOx : OHと呼ぶこととした。
得られた薄膜は紫外線の照射により極めて高い光伝導電流が観測され、再結合中心が大きく減少していることがわかった。しかしながら、光照射時の電流変化は時間的に緩やかな変化であり定常状態、即ち飽和値に達するのに10分程度の時定数を持つものであることもわかった。飽和値に達した後、光照射を遮断すると電流値は減少するが、その減少する時定数は雰囲気ガスの影響を強く受け、真空中では数時間に及ぶものが、酸素ガス中では瞬時に暗値にまで減少する。この減少の早さは酸素圧力に反比例することがわかった。
アモルファス酸化チタン薄膜を活性層としたTFTを作製した。即ち、シリコンを酸化し酸化膜上にa-TiOx : OH膜を付け、その上にドレイン-ソース電極をつけた。ゲート電極にプラス電圧を印加したとき、ドレイン電流の変化は極めて少なく、かつ、その変化は時間的にも緩慢なものであった。
これらのことを総合的に判断すると、プラズマにより生成されたa-TiOx:OH薄膜はOH基がアモルファス薄膜中の欠陥に対応した不対電子を終端することにより再結合欠陥を不活性化していることにより、高い光伝導率を示す。この欠陥準位はバンドギャップの中央近傍にあるもので、中央から離れた深い準位の欠陥は捕獲中心として働き、励起されたキャリヤーは捕獲中心と伝導帯もしくは価電子帯間をジャンプしながら存在し、長い時定数を持つものと思われる。酸素が表面に衝突すると、電子が酸素に移り、急激に電流が減少するものと思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] L.Sirghi, Y.Hatanaka: "Hydrophilicity of TiO2 ultra-thin films"Surface Science. 530. L323-L327 (2003)

  • [文献書誌] L.Sirghi, Y.Hatanaka, et al.: "Friction Force Microscopy Study of the Hydrophilicity of TiO2 Thin Films Obtained by rf Magnetron Sputtering Deposition."Surface Review Letters. 10. 345-349 (2003)

  • [文献書誌] A.Wrobel, Y.Hatanaka, et al.: "Remote Nitrogen Plasma chemical vapor deposition from a tetramethyldisilazane source"J.Materials Chemistry. 13. 731-737 (2003)

  • [文献書誌] A.Wrobel, Y.Hatanaka, et al.: "Remote hydrogen plasma chemical vapor deposition from(Dimethylsilyl)(Trimethylsilyl) methane"Chemistry of Materials. 15. 1757-1762 (2003)

  • [文献書誌] H.Naito, Y.Hatanaka, et al.: "Photo-catalytic amorphous TiOx : OH film prepared by remote plasma enhanced chemical vapor deposition"21th Symposium on Plasma Processing. 21. 176-177 (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi