研究課題/領域番号 |
15560326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
通信・ネットワーク工学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
近藤 利夫 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60324539)
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研究分担者 |
大野 和彦 三重大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20303703)
佐々木 敬泰 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20362361)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | 低遅延 / IDR / GDR / H.264 / 再イントラ符号化 / レート制御 / イントラスライス / オーバーフロー |
研究概要 |
リフレッシュ対象部の二重の符号化とリフレッシュ遅延の許容により、デコーダバッファの遅延を短縮する2つの遅延型リフレッシュ方式(Delayed GDRとDelayed lDR)を提案し、ソフトウェアエンコーダで符号化特性を評価した。その結果、DelayedIDRで、従来の低遅延符号化方式のGDRで100ms程度以上になる静止シーンにおけるリフレッシュ起因のバッファ遅延を、3.5ms以下まで低減可能なこと、Pピクチャ周期Mが1の場合にGDRと同等の符号化効率の得られることが明らかになった。 1.遅延型リフレッシュ方式の提案 リフレッシュ対象部を、PスライスあるいはPピクチャとして符号化・先送りする上に、Iスライスとして符号化して、あるいはPピクチャをローカルデコードしてから再イントラ符号化して、リフレッシュ用に後送りする漸次リフレジシュ型のDelayed GDRとランダムアクセスの利点を有する瞬時リフレッシュ型のDelayed IDRをそれぞれ提案した。 2.符号化効率の評価 2つの提案方式を、H.264 JM参照ソフトウェアに実装し、RD特性より符号化効率を従来の低遅延符号化方式であるGDRと比較した。その結果、M=3の条件では、4〜20%圧縮率が低下するものの、M=1では動きの少ないSusieなどで、圧縮率が12%も向上するおかげで、平均的に同等の符号化効率の得られることが明らかになった。 3.遅延特性の評価 固定ビットレートの低遅延符号化でリフレッシュ起因のバッファ遅延が最大となる静止シーンについて、ほぼ理想の符号量割り当てとなる固定のQP値に設定し、デコーダバッファの遅延を評価した。その結果、Delayed IDRでは、M値によらず、従来方式のGDRより100ms程度かそれ以上デコーダバッファの遅延が小さくなることが明らかになった。 4.固定ビットレート制御時の符号化特性評価 MPEG-2ソフトウェアエンコーダにDelayedGDRを実装し、アンダーフロー、オーバーフローのない条件で評価した。その結果、従来のGDRより30ms程度デコーダバッファの遅延が低減されることが明らかになった。
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