研究課題/領域番号 |
15560328
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
通信・ネットワーク工学
|
研究機関 | 大阪大学 (2004-2005) 京都大学 (2003) |
研究代表者 |
滝根 哲哉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00216821)
|
研究分担者 |
松田 崇弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50314381)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
キーワード | IPトラヒック / 時間スケール / 長期依存性 / パケット損率 / 陽表現評価式 / 間欠ソースの重畳 / M / G / ∞入力 |
研究概要 |
フロー集約されたIPトラヒックは時間スケールによって異なる性質を持つことが知られている。すなわち、比較的短い時間スケールではランダムな特性を示し、比較的長い時間スケールでは長期依存性を示す。この事実は工学的に非常に重要である。なぜならば、一般に、パケット廃棄率や遅延の裾野分布はある有限の時間スケール内でのトラヒック特性のみで定まることが知られており、適当な条件下ではIPトラヒックがもつ比較的短い時間スケールにおけるランダムな特性のみでパケット棄却率が決定されるからである。長期依存性をもつトラヒックと比較して、ランダムな特性をもつトラヒックは格段に扱いやすく、申請者が過去に提案してきた手法を活用することでQoSの定量的評価が可能となる。特にIP網で見られる局所的なランダム性が発現するメカニズムについて考察を行うと共に,ランダム性が支配する時間スケールを同定する手法を確立した。なお、この成果の一部に対して(社)電子情報通信学会論文賞を受賞した。また、あらゆる定常過程を任意の精度で近似的に表現できる多元マルコフ型到着流を入力とする待ち行列モデルの解析手法に関する研究を推進した。特にサービス率が時間的に変化する系を取り上げ、解析手法を確立した。また、相関をもつ多元トラヒックを入力とする離散時間待ち行列モデルにおける平均バッファ滞留量の陽な表現式を導出し、入力の相関と平均バッファ滞留量の間の関係を明らかにした。さらに、多元トラヒックを収容する待ち行列モデルの質について考察し、幾何的な減衰をもつための条件ならびに劣指数的な減衰をもつための条件を明らかにした。更に過渡解の計算手法を確立した。これらの成果により、可変長のパケットを収容するマルチサービスパケット網における性能を量的に評価できる基礎が整った。
|