研究課題
通常の通信方式では、まずトレーニング信号などを使って伝送路伝達関数の推定を行い、その推定に基づいた等価器を使って伝送路による歪みを補正し、送信された信号を推定する。最近、トレーニング信号を使わずに、送信信号のみから伝送路伝達関数の推定を行うブラインド等化方式の研究が盛んになってきた。この研究では、等化器の処理を省き、送信信号を直接推定する効率的なブラインド通信方式を提供することを目的としている。平成15年度では加算雑音が存在しないと仮定して、ブラインド推定や同定可能条件を検討していたが、平成16年度では加算雑音がある場合を想定して、以下の事柄を主に行った。1.実際の伝送路では、通常、加算雑音が存在する。そのような場合のブラインド推定問題に対する解決策を提案した。2.伝送路に雑音を付加した具体的なOFDM通信を想定してシミュレーション等によってブラインド推定の動作を確認し、従来の方法との性能を比較した。雑音レベルや送信サンプル数などをパラメータとして、送信された信号と推定値との平均2乗誤差の変化の様子を図示し、推定に要する計算量などについても評価を行った。3.得られた成果をまとめ、IEEE Transaction on Signal Processingへ論文として投稿した。
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Proc.of Antennas, Radar, and Wave Propagation
ページ: 170-174
IEEE Tr.on Signal Processing (採録決定)