研究概要 |
近年,企業を取り巻く生産環境のグローバル化,市場ニーズの低迷ならびに多様化により,企業は新しい市場ニーズや消費者の嗜好をより早くとらえ,競争に打ち勝つことが必要である. このように複雑化した環境に適応し,継続的な競争優位を確立するため,独自の企業戦略の策定が求められている.企業戦略立案においては,消費者の行動,市場の状態に大きく影響を及ぼす競合企業の行動を予測することが大きな課題となる.現状では,企業が自身のノウハウにより,市場や消費者の選好に関する要因を分析し,販売戦略に反映させているが,直接,販売戦略の立案支援を行うツールは少ない. 本研究では,市場挙動シミュレーションを自律分散エージェントシステムとして実現する方法論の確立を目指し,自動販売機デマンドチェーンシミュレータのプロトタイプシステムを構築し実験を行った結果,定性的に妥当な結果を得た. 今後,飲料水メーカ,オペレータエージェントに対し,自律的に戦略を更新していく機能を加えるとともに,想定したシナリオに基づく実験と実際のデータに基づいた評価を行う.また,利用者にとって使いやすいユーザインタフェースを備えたデマンドチェーンシミュレータの研究開発を行う予定である.
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