研究概要 |
直流磁界型高精度ワイヤレス微小温度センサは,感温フェライト膜を測温素子とすることにより,測定対象の温度変化を磁気特性の変化として,原理的に非接触で読み出すことが可能なセンサであり,事実上自己加熱が無視できるという優れた特徴を有する. 以下に,本年度の研究状況を研究実施計画に基づいて報告する. ■測温素子の温度特性の制御 測温素子である感温フェライト膜の温度特性を制御するために,感温膜の磁気特性の温度依存性を様々な条件下(磁気バイアスやストレス印加等)で測定する装置を試作した.現在磁気シールド部分等の調整作業中であるが,本装置により感温膜に対する様々な条件設定が温度特性を計測しながら行えるようになるため,任意の特性に制御する技術の開発がスムーズになることが期待できる. ■センサ構造の検討 直流磁界型高精度ワイヤレス微小温度センサの主要要素である,感温フェライト膜,磁気読み出し装置,磁気バイアス印加装置,ヨーク等の最適な形状および配置を申請設備備品であるガウスメータや小型環境試験器等を用いて検討した.ただし,現時点ではまだ最適値の同定には至っていないため,引き続き実機でのデータ収集と理論解析が必要である. ■調査および研究成果の発表 International Conf.on Magnetism (ICM 2003:国際磁気会議,Roma, Italy, July 27-August 1,2003)を始め,国内外の学会や研究会,また電気学会調査専門委員会等に参加し,磁性体を利用したセンサや微小温度計測技術に関して調査,および発表を行った.
|