研究課題
本研究では、非同心型円環アレイによる音源を構築することによって、無回折で伝搬する超音波ビームの形成を行い、さらに、その放射方向を可制御とすることを目的としている。本年度においては、昨年度、検証を実施した偏心円環アレイについて、製作手法を検討するとともに、引き続き、効果的にビーム放射方向を変化させることが可能となる音源要素の配置について検討を実施した。検討の結果より、偏心を行わせる音源要素をただ1要素とした場合においても、無回折で伝搬するビームの放射方向が可能であることが確認され、偏心される要素の、偏心の割合に比例してビームの中心が移動することが確認された。また、偏心を行わせる音源要素を、アレイ中心に位置する円盤状要素に隣接する円環要素のみとした場合においては、放射されるビームは、音源のごく近くにおいてのみその方向を変化させることが確認され、音響波ビームの精密な平行走査法としての可能性が新たに見出された。上記より、本年度の研究成果としては、昨年度の研究成果をふまえ、より簡潔な手法として発展した成果が得られている。これらは、昨年度の研究成果と比較して、より高い有用性をもつ可能性があるものであるが、将来にわたっての検討は、引き続き実施される必要がある。また、並行して検討を実施していた、放射音場の測定システムにおいては、干渉計を用いた光学的な手法に基づき、音場に対して非接触・非侵襲な測定装置を構築し、一般的な音源を用いた測定実験において、放射音場の二次元複素分布の可視化において、数値的解析とよく一致した傾向を持った測定結果を得ることに成功している。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (9件)
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