研究課題/領域番号 |
15560363
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
野村 徹 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50052858)
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研究分担者 |
齋藤 敦史 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (30280994)
古川 昌司 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30199426)
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キーワード | 弾性表面波センサ / 弾性表面波 / 反射型遅延線 / センサアレイ / 感応膜 / 無給電センサ / 層状構造 / 集積化センサ |
研究概要 |
弾性表面波(SAW)を用いたセンサ(SAWセンサ)が、数多く実用化されている。SAWセンサには、弾性表面波の特徴を生かして、さまざまなタイプのセンサが考えられる。たとえば、SAWデバイスの構造は平面的で、高周波により小型化できるため、幾つかのセンサを同一の基板上に組み込んだ集積化したセンサ(センサアレイ)もそのひとつである。またSAWは、表面のわずかな変形により散乱や反射を生じ、特に直角なエッジでは非常に強く反射される。この特性を利用することにより、従来の遅延線とは異なる、反射型の遅延線ができる。この遅延線を利用すると、新たなセンサが可能となる。 本研究では、反射型遅延線を用い多機能なセンサを開発した。特にエッジによる強い反射を利用し、一つの基板に長さの異なる遅延線を複数並べたマルチチャネルセンサを開発した。さらに強い反射であること利用し無給電で動作するパッシブセンサを実現し、ワイヤレスでひずみ、湿度、温度そして液体粘性などの測定を試みた。 またセンサに適した新しい弾性表面波用の基板の探索においては、粘性液体/LiNbO3/ガラス構造を伝播するSAWの伝播特性と電気機械結合係数について計算機シミュレーションを行った。計算においては、LiNbO3の成長層の膜厚を変えた場合と、液体の粘性や密度等を変えた場合の伝播特性を求め、液体用のセンサに適する構造を検討した。その結果、LiNbO3の膜厚は伝播速度に一様に影響するが、損失にはある膜厚で最大値を持つことが分かった。しかも、このピークは液体の物性値と膜の厚さにより異なり、センサによる液体の識別に有効であることが分かった。
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