研究課題/領域番号 |
15560366
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小林 力 日本大学, 工学部, 教授 (60059699)
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研究分担者 |
田井 秀一 日本大学, 工学部, 講師 (20246846)
木田 拓郎 日本大学, 工学部, 教授 (90016535)
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キーワード | 粘度センサ / 振動型粘度計 / 三角形バイモルフ / 位相検出 / 位相差型粘度計 |
研究概要 |
本研究では、特に測定が難しいとされている液体の高粘度測定について、我々がこれまでに開発してきた振動型粘度計を用いて行ってみた。この粘度計は、三角形に加工した圧電バイモルフ振動子を用いた振動型粘度計であり、その両電極間の電気的な位相差から各種液体の粘度が測定できる新しい方式である。これまでに、本装置を用いて、周波数が約200〜400Hzにおいて、粘度の低い約0.5cStから、約5000cStの中程度の粘度まで、精度良く簡単に測定できることがわかっている。そこで、工業や食品分野では更に高粘度の測定が必要となる場合が多くあるので、本測定法により更に高粘度の5000〜100000cStまでの計測に挑戦してみた。 この高粘度領域での測定を行うためには、本装置で使用する周波数領域や三角形バイモルフの長さ等について検討してみた。その結果、三角形バイモルフ振動子の100Hz以下における非共振帯の周波数領域(他の発表に見られない最も低い周波数)を使用したり、また、三角形バイモルフの長さを特定の長さ(この場合に35mm以上)としたりすることにより、高粘度の測定器として使えることが分かった。本法では低粘度から高粘度までの全領域を測定できるが、特に、5000〜100000cStの高粘度の測定に有効であることが分かった。また、他の粘度測定法と比較して殊に取り扱いが簡単であり、供試試料が少なくて済み、しかもリアルタイムで測定でき、測定精度においても優れていることが分かった。 なお、今後の計画として非ニュートン流体について、周波数変化に対する粘度変化を調べるための粘度計への応用を試みたい。
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