発電プラント、船舶、鉄鋼製造等の主要設備の心臓部に使用される大型鍛鋼品は、大型自由鍛造プレスを用い、最終機械加工寸法に所定の鍛造余肉を付加して成形される。鍛造成形時、鍛造品の寸法(軸の偏芯、曲がり、断面形状など)の確認方法は、接触式あるいは目視であり精度が悪く、このことが、鍛造余肉を減じ、機械加工寸法に近いNear-Net-Shape化を妨げる要因の一つとなる。 本研究の目的は、3次元画像計測技術を大型熱間鍛造に適用することにより、省資源・省エネおよび製造期間の大幅短縮が図れることである。 具体的な目標は、高温(1、000℃程度)、大型(長さ10メートル程度、直径1-3メートル程度)加工物に対して、短時間で高精度(計測誤差数ミリ程度)の寸法計測を実現する。 一年間の研究で、下記のような成果が得られた。 ・高温による空気揺らぎや輪郭ボケの3D形状計測精度に及ぼす影響の究明 ・上記影響を最小限にするための解決策の提案 ・サイズの大きい加工物の高速計測の有効な方法の提案 ・計測画像から大型物体の高速抽出アルゴリズムの開発 ・提案手法及びアルゴリズムの現場実験 次年度から下記のテーマを重点にして、研究を続ける予定である。 ・大型軸状加工物計測時の対応付け問題の解決 ・実用化への計測手法と計測システムを構築、ミリ程度感度の計測を実現 ・画像計測に基づくフィードバック加工システムを構築し、加工精度を上げ、コストを削減
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