研究概要 |
1.経緯 1つのタービンで呼気および吸気両方の流量計測の可能性がある往復流型タービンによる,周期的往復流での実験にから,呼吸の振幅および周期の計測に対する本計測法の有効性をこれまで実験的に示してきた。 本年度は,未実施であった呼吸量計測における本タービンの幾何形状に関する研究として、周期性往復流を発生する特殊風洞により本タービンの回転速度に及ぼす動翼弦節比の影響を実験的に調査した。 実験では衝動タービンを用いた。このタービンはロータが気流方向に関わらず常に同一方向に回転できるように、回転中心面に対し対称な幾何形状を有する。 本実験で使用したロータ形状を次に示す。翼弦長;3.75mm、翼高さ;3,75mm、翼端直径;19.5mm、ハブ比;0.6、取付け角;0度。なお、本研究では動翼弦節比の影響を調べるため、翼枚数を5枚から16枚の範囲で実験を行った。呼吸を模擬する気流パターンとして、三角波状の流量変化を有する往復流を前年度製作した往復流発生装置で発生させ、その際のタービンの回転数nを測定し、タービンの静止状態から起動後の安定状態までの挙動を調べた。 3.実験結果 タービンの平均回転数と最大流量の関係を求める実験において、最大流量が200ml/s以上の場合において、周期Tに関係なく平均回転数が最大流量に対して線形に変化し、流量の大きさがタービンの挙動に強く反映することが明らかにされた。この特性は翼枚数に関わらず,いずれのタービンにおいても同様の結果が示された。 平均回転数に及ぼす動翼弦節比の影響に関する実験において、平均回転数が翼枚数、すなわち弦節比とともに増加することを実験的に明らかにした。 4.実用化試験 往復流型タービンを用いたスパイロメータの実現可能性を見極めるために、実機モデルを製作し,評価を行った。
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