研究課題/領域番号 |
15560371
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研究機関 | 大分工業高等専門学校 |
研究代表者 |
岡 茂八郎 大分工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (80107838)
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研究分担者 |
薬師寺 輝敏 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90210228)
榎園 正人 大分大学, 工学部・電気電子工学科, 教授 (40136784)
金田 嗣教 大分工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (70040756)
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キーワード | 非破壊検査 / SUS304 / SUS316 / オーステナイト / マルテンサイト / 平面曲げ疲労 / 励磁コイル / 垂直残留磁化 |
研究概要 |
近年、注目され、研究が急がれている非破壊評価技術の一つに、構造用金属材の疲労の蓄積状態を確実に把握する技術がある。我々は、数年前から、垂直残留磁化法によるオーステナイト系ステンレス鋼の疲労蓄積量推定法の研究を行ってきた。 今年度は、アクティブ型磁気センサの開発においては、当初の予定通り、研究期間の前半においてアクティブ型磁気センサの2種類の基本設計を終えフェライトコアの加工が本校では困難であるため外注した。現在、製品が納入され、コイル巻などをおこない予備疲労推定システムを構築している。さらに、垂直残留磁化法を用いてオーステナイト系ステンレス鋼であるSUS304やSUS316についての各種基礎データの蓄積を、鋭意おこなっている。その結果、SUS304においては、マルテンサイト変態を起こす温度が室温に近いため試料の温度が疲労蓄積量と残留磁気の関係に大きな影響を与えることが判明した。これについては、現在、多くの定量的データを集めている段階である。また、近年、原子炉などで多用されるようになっているSUS304より腐食性に優れたSUS316,SUS316Lについても垂直残留磁化法とフラックスゲート型磁気センサを用いて多くのデータを集めているところである。SUS316は、マルテンサイト変態点の温度が、SUS304よりも低いためと思われるが、室温付近では、残留磁化の値がSUS304の10分の1程度と小さく疲労蓄積量と残留磁化の関係を追うことは非常に困難ではあるが、SUS304と同様な傾向が見られ、SUS316においても垂直残留磁化法のような磁気を用いた疲労推定法が有効であることが確かめられた。このことに関しては、現在、学会等で発表しその評価を受け、次への発展を図っている。 今後、SUS304においてアクティブ型磁気センサシステムを構築しデータの収集を行い、さらにそのノウハウを利用してSUS316での活用に道を開きたいと考えている。
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