研究課題
平成16年度の研究実績の概要は以下の通りである。1.まず、ユークリッド空間に同相とは限らない多様体上のシステムに対して、複数の臨界点を許容するように制御リアプノフ関数を拡張した制御リアプノフ=モース関数を提案した。さらに、制御リアプノフ=モース関数によって導かれる準普遍制御則による大域的安定制御則を導いた。制御リアプノフ=モース関数がある簡単な式で表される条件を満たすように設計すれば、得られた制御則に含まれる不連続項によって、原点以外の臨界点からすばやく離れ、原点以外の臨界点近傍でスライディングモードになることはない。2.非ホロノミック系に対して、微分不可能なリアプノフ関数を与えて、ジョルジョヴィッチ=クイン型の制御則を与える方法が知られている。本研究では、リアプノフ関数が2回微分できない点をさらに加えることで、ある種の有限整定性を付加し、局所有界かつ指数安定となる制御則が得られることを示した。3.さらに、代表的な非ホロノミック系であるchained systemに対し、前年度求めた不連続フィードバックによる安定化制御則を、小型2輪移動ロボットの車庫入れ制御に適用し、実際に実機で車庫入れ制御ができることを確認した。4.ロボットマニピュレータにおける角速度推定において、不連続ダイナミクスによる厳密微分器を用いることで、ある程度の雑音を除去し、良好な推定結果を得ることを、実機で確認した。さらにその推定結果を用いて実機上に制御系を構成した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
計測自動制御学会論文集 41・3(掲載決定)
計測自動制御学会論文集 40・11
ページ: 1071-1077
計測自動制御学会論文集 40・7
ページ: 721-728
SICE Annual Conference 2004, Sapporo
ページ: 1874-1897
6th IFAC Symposium on Nonlinear Control Systems, Stuttgart
ページ: 1000-1005
ページ: 341-346