研究課題
基盤研究(C)
循環型社会においては、産業副産物は細粒・粉体での排出が多くなる。循環型建設資材として湿潤状態で排出される場合には余剰水の排出が、乾燥状態の場合では練り混ぜ時の単位水量の拘束が、コンクリートの物性に大きく影響を与える。昨年度に引き続き、溶融スラグ、微粒珪砂に加え、瓦廃材(瓦産業:細粒系副産物)を対象に、建設資源に必要とされる保水性能の把握と評価、その貯蔵管理方法の構築に関して、基礎的データの収集ならびに実験を基に検討した。さらに道路舗装用路盤材への治水材料・保水材料の観点からも研究を実施した。成果の概要は以下のとおりである。(1)溶融スラグ:溶融スラグの保水性能は、特異な場合を除き、通常の骨材と同程度であり、練混ぜ時の湿潤状態は表面水率の補正で対応可能である。(2)微粒珪砂:微粒珪砂の吸水能力は粉体であることから、通常の骨材よりも大きく、また、湿潤状態では容積が乾燥状態に比べ小さくなる。一度吸水した場合、保水能力が高いため、水の排出が困難であり、土柱試験結果からも、上部と下部では含水率の差が大きく、排水条件を整備する必要があることが明らかとなった。なお、湿潤状態の微粒珪砂を乾燥させると固化せず、粉体に戻る。(3)瓦廃材・同質の原材料においても、粉砕後の粒径の違いにより、各粒子が有すると考えられる微細な空隙や微粒分量が異なることに起因し、密度や吸水率に大きな差が生じる。・フレッシュ性状は通常の細骨材と同様に制御可能であり、硬化後の物性もほとんど変わらないが、弾性係数が混入率の増加に伴い若干低下する。・吸水性能、排水性能ともに高いことから、貯蔵は雨水等の影響の少ない状態が望ましい。(4)細粒・粉体系副産物の保水能力評価・各種副産物を土嚢に詰めて埋設することで、ヒートアイランド現象を緩和させることが可能である。適切な保水材料としては、現時点では細粒系副産物である溶融スラグが挙げられる。
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