研究課題/領域番号 |
15560399
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研究機関 | 独立行政法人港湾空港技術研究所 |
研究代表者 |
浜田 秀則 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤・構造部・材料研究室, 室長 (70344314)
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研究分担者 |
山路 徹 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤・構造部, 主任研究官 (10371767)
宮田 義一 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤・構造部・材料研究室, 研究官 (30392989)
審良 善和 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤・構造部・材料研究室, 特別研究員
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キーワード | RC構造 / 鉄筋-コンクリート界面 / 鉄筋腐食 / 腐食傾向 / 腐食速度 / 塩害 / 腐食発生臨界塩分量 / 界面構造改善 |
研究概要 |
鉄筋コンクリート構造物を以後、「RC構造物」と略記する。 昨今、コンクリートに埋め込まれた鉄筋の腐食に起因するRC構造物の劣化が、我が国のみならず世界各地で多数報告されている。コンクリート中鉄筋の腐食の根本的原因の一つは、コンクリート中に供給される塩化物イオン(Cl^-)である。また、塩化物イオンの供給源としては、未洗浄の海砂の使用、あるいは海洋環境下での海水の浸透などが主な原因である。これまでの研究から、鉄筋表面に存在する塩化物イオン濃度がある一定値【臨界塩分量と称される】以上になると、鉄筋の腐食が開始されることが明らかとなっている。そして、その値はコンクリートに使用されたセメントに対して0.4%近傍であること言われている。 一方、申請者等の既往の研究結果から、コンクリートと鉄筋の界面に存在する空隙の影響により上述の臨界塩分量が変動することも明らかとなった。すなわち、コンクリートと鉄筋の界面の空隙が存在しないか、あるいは、存在しても数μm程度の場合、高濃度の塩化物イオンが存在しても鉄筋の腐食は生じないが、コンクリートと鉄筋の界面の空隙が数100μm程度の大きさになると、低濃度の塩化物イオンの存在でも鉄筋の腐食は生じることを確認した。しかしながら、あくまで定性的な把握である。 本研究において、コンクリート中に存在する鉄筋とコンクリートの界面の空隙構造(空隙の形状、空隙の大きさ)とそれに接する鉄筋の腐食を引き起こす臨界塩分量の関係を定量的に評価した。すなわち、鉄筋-コンクリートの界面の大きさの異なる試験体の界面近傍における塩化物イオン含有量と鉄筋の腐食の関係を定量的に把握した。また、鉄筋とコンクリート界面の空隙構造と鉄筋の腐食速度の関係の定量的評価、鉄筋とコンクリート界面構造の向上方法の開発を行った。
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