研究課題/領域番号 |
15560407
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
園田 佳巨 九州大学, 工学研究院・建設デザイン部門, 助教授 (40304737)
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研究分担者 |
香月 智 防衛大学校, 建設環境工学科, 教授
彦坂 煕 九州大学, 工学研究院・建設デザイン部門, 教授 (10037864)
日野 伸一 九州大学, 工学研究院・建設デザイン部門, 教授 (00136532)
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キーワード | 損傷度評価 / 打撃系非破壊診断 / 鉄筋コンクリート構造物 / 損傷力学 / 複関数分類ニューラルネット |
研究概要 |
今後、急速に数が増大すると考えられる老朽化した既設鉄筋コンクリート構造物を合理的に維持管理していくには、健全度評価を行うための調査・診断技術を確立することが不可欠である。そのために、平成16年度は約50年間の長年月にわたり供用されてきたRC道路橋2橋に対して実施した非破壊診断試験結果と実橋載荷および解体桁の破壊試験結果の関連性をより詳細に検討した。さらに、非破壊試験によりRC構造物の将来の耐荷性能を予測する手法を開発するための基礎的検討として、 1)RC構造物の耐荷力が低下する要因として、荷重履歴により生じる力学的損傷と環境的要因による材料劣化の2種類を同時に評価できる解析ソフトを完成させた。 2)繰り返し載荷により疲労損傷させたコンクリート供試体に対して打撃非破壊試験を実施し、疲労損傷と打撃入力に対する加速度応答の関連性について調査した。さらに、その試験結果について複関数分類学習ニューラルネットワークを適用することで打撃非破壊試験結果の変動特性から損傷度の進展を評価可能であることを確認した。 以上の成果と平成15年度に得た実績を列挙すると、以下のようになる。 1)既設RC道路橋2橋に対して行った各種載荷試験と非破壊診断の結果を考察・整理した上で、打撃試験による加速度の変動を複関数分類ニューラルネットワークに学習させることで、定量的な損傷度評価が可能であることを実験的に確かめた。 2)損傷力学を適用したRC構造物の劣化・損傷解析プログラムを開発し、老朽化した構造物の耐荷性能評価のベースとなる解析ソフトを構築することができた。本ソフトを用いれば、塩害による鉄筋腐食とそれにともなう将来の耐力低下を予測可能であることを確認した。
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