鋼橋部材の疲労強度は、溶接継手部を単純な形状にモデル化した試験体に直応力を繰返し作用させた疲労試験の結果を基に求められている。しかし、鋼橋内において疲労損傷事例が報告され、また疲労設計上の弱点となるI断面プレートガーダー橋の主桁ウェブ・横桁フランジ交差部では、主桁の面内曲げに起因する主桁ウェブ応力に加えて、横桁の荷重分配作用による横桁ラランジ応力が作用する2軸応力場となる。さらに、主桁ウェブでは、荷重の位置によりせん断応力の方向が反転し、主応力方向が変化するという特徴もある。当研究では、2軸応力と主応力の変化を考慮した主桁・横桁交差部の疲労強度評価方法を構築することを目的としている。 本研究で行った項目、それらの内容は以下のとおりである。 1.支間30m・鋼I断面合成桁形式(主桁本数:4)の2車線道路橋を対象とした応力解析を行い、交差部の応力性状を明らかにした。 2.研究を遂行する上で不可欠な2軸荷重疲労試験機の開発経緯とその使用上の注意を示した。 3.主桁ウェブ溶接部の疲労強度に対する2軸荷重の影響について検討することを目的として、2.で構築した試験システムを利用した2軸疲労試験を行った結果を示した。 4.横桁フランジが主桁ウェブに接合された溶接継手部のモデル化による継手形状の違いが疲労強度に及ぼす影響について、疲労試験と有限要素応力解析を行うことにより検討した結果を示した。 5.横絎フランジ溶接部の疲労強度に対する2軸荷重の影響について検討した結果を示した。 6.主桁ウェブ溶接部の疲労強度に対する主応力方向変化の影響を明らかにする目的で、2軸疲労試験を行った結果が述べた。そして、主応力方向の変化の影響は亀裂発生位置での最大主応力とその方向の最小応力の差で評価できることを示した。 7.これまで確立することが困難とされてきた主桁・横桁交差部の疲労強度評価方法を提案し、それを用いた疲労照査例を示した。
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