研究概要 |
平成16年度は以下のような活動を行った. 1.盆地内の10地点における強震観測 甲府盆地全体をほぼカバーするように設置された強震観測点において前年度に引き続き強震観測を行った. 2.甲府駅周辺の浅部地盤構造の推定 サーボ型速度計を用いて甲府駅周辺の市街地のうち主に甲府駅北部を測点間隔約50〜70mで高密度な微動測定を行った.測線の数は南北3測線,測点数は106である.得られた記録の水平成分と上下成分のスペクトル比を取り,周期0.1〜2秒の短周期帯域の卓越周期の空間分布を調べることにより,浅部地盤構造を推定した.その結果,駅北側の山地を背後に控えた地域では堆積層が薄く,南に行くに従って堆積層が厚くなっていくこと,西部から張り出した山地の周辺では堆積層が薄くなっていることなどが推定された. 3.甲府盆地の深部地盤構造の推定 動コイル型速度計を用いて甲府盆地南西部を測点間隔約300mで微動測定を行った.測線の数は東西3測線,測点数は60である.解析の手順は浅部地盤構造の推定と同様であるが,周期2〜20秒の比較的長い周期成分を対象とし,この周期帯域の卓越周期の空間分布を調べ,深部地下構造を推定した.その結果,扇状地が発達している地域は,堆積地盤の硬さのコントラストが小さいこと,北部に比べて南部では堆積層が厚くなることなどが推定された.
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