研究概要 |
本研究では,鋼・コンクリート複合構造物のために,高精度かつ効率的な構造解析法を開発することを目的としており,平成17年度にはこれまでに開発した以下のハイアラーキ要素と数値計算法を、数値計算によって検証した. 1.ハイアラーキ特異要素による2主桁橋の局所応力解析 特異点近傍の応力集中問題に対して高精度かつ効率的に局所応力計算を計算するために,写像関数に特異多項式を用いた特異要素を開発した.この手法では,複数の特異点を有する多特異点要素を生成することは容易で,直線要素では特異写像のための写像点の座標値を入力する必要がない。鋼・コンクリート複合構造への応用として,このハイアラーキ特異要素を2主桁橋の局所応力解析に適用した. 2.ハイアラーキRC要素の鉄筋コンクリート床版の3次元応力解析 ハイアラーキRC要素はソリッド要素に鉄筋を埋め込んだ要素である.従来の要素を細分割する有限要素法において,ソリッド要素でモデル化した床版を鉄筋やPC鋼材の配置位置で分割した全体解析は不可能に近い.本研究のRC要素では鉄筋配置位置での要素分割が不要で,大型要素を用いても高精度の解が得られる.これにより鉄筋とPC鋼材の影響をも考慮した複合橋梁の全体解析が容易となる.この要素を鉄筋コンクリート床版の3次元応力解析に用いて,精度と計算効率を検証した. 3.ハイアラーキ要素による熱応力解析法の開発 鋼・コンクリート複合構造の熱応力解析のために,平面シェル要素とソリッド要素による熱応力解析法を開発し,種々の計算例により精度と計算効率を検証した.
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