研究課題/領域番号 |
15560432
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
成田 国朝 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90064956)
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研究分担者 |
木村 勝行 愛知工業大学, 工学部, 教授 (70064954)
奥村 哲夫 愛知工業大学, 工学部, 教授 (70078913)
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キーワード | 遠心模型実験 / 水位急低下 / 間隙水圧分布 / 浸透破壊 / 斜面崩壊 / 飽和・不飽和浸透 / 降雨浸透 / 斜面保護工 |
研究概要 |
水位急低下時の間隙水圧挙動として、堤体中央部にL型のドレーンが配置された場合ついて追加実験を行い、排水能力を高めるためのドレーンが残留間隙水圧の蓄積に及ぼす影響を調べた。また、上流斜面のすべり破壊を遠心実験で再現し,水位急低下に伴い発生する残留間隙水圧が斜面の安定性に及ぼす影響を論じた。この結果、ドレーン付近ではその排水効果によって残留間隙水圧の速やかな低下が見られたが、斜面の表面部では均質堤体と同程度に間隙水圧が残留するため、貯水位低下に伴い堤頂部を含むすべり破壊が生じ、支持を失ったドレーン部が崩壊して堤頂付近に深い欠落を起こす等の特徴的な現象が観察された。 本年度は他に、透水性の基礎地盤上に建設された河川堤防を対象として、その浸透現象を遠心模型実験で再現し、浸透に伴い堤体底部に作用する揚圧力の特性を明らかにするとともに、揚圧力が堤体の安定性(パイピングや支持力低下)に及ぼす影響を論じた。実験では、堤体及び基礎地盤材料の透水係数を幾つか変化させ、主として浸透特性に及ぼす基礎の透水性の影響を調べた。その結果、(1)揚圧力分布の拡大傾向は基礎地盤と堤体の透水係数比の値にあまり影響を受けず、基礎地盤の透水性の絶対的な大小に依存する。(2)基礎地盤の透水性が大きいと、水位の上昇とともに揚圧力分布が全域で速やかに拡大する。(3)透水係数比の値が大きいほど基礎地盤に比べて堤体部が相対的に不透水になり、揚圧力の分布形状は不透水堤体の直線分布に近似する、などが知れた。 解析的研究としては、FEM飽和-不飽和浸透解析の結果に基づいて、(1)円弧すべり面上の間隙水圧分布と、(2)堤体内の動水勾配分布の変化傾向を調べ、浸透作用に伴う堤体の破壊形態の表現方法について二、三検討を加えた。
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