研究概要 |
都市部山岳トンネル工法の施工時に周辺環境に影響を与えないために先受け工法を採用する場合について,その効果を明らかにするための遠心模型実験と3次元数値解析を行った.その成果は以下の通りである. (1)CMOSカメラ4台による変位計測技術を確立した。すなわちドラム型遠心模型実験において、先受け工法の効果を明らかにするためにはトンネル掘削時の地盤変位を高精度で計測する必要がある.そこで撮影倍率34〜140倍、焦点距離約1cmのマイクロスコープカメラ(撮影素子はCMOSカメラ)を2cmの等間隔に4台配置して変位計測する手法を確立した.その際,CMOS自体に映像記録システムがないためにCMOS1台につき録画用のビデオカメラを1台必要とするが,遠心実験装置内に計4台のビデオカメラを設置するスペースがないので、チャンネルスイッチャー(8チャンネル)を用い,CMOSの映像を一つにまとめそれをDVに記録すると同時に映像を無線により実験装置外のテレビに転送し,実験中の地盤挙動を観測しながら実験を行うことを可能にした. (2)先受けがない場合と先受けがある場合について,遠心模型実験中の地盤にロボットでトンネルを掘削しその際の地盤変位をCMOSカメラにより計測することが出来た.先受け工法の効果に関する分析は現在行っているところであるが,これによりトンネル掘削中の先受けおよび地盤の挙動を高精度で把握することが可能となり,次年度の実験成果に期待が持てる状況にある (3)3次元有限要素解析により先受けがある場合とない場合におげる地盤の応力、変位を解析し先受けの効果をある程度明らかにすることが出来た.その際トンネルの掘削、支保の建設、先受けの建設について施工順序を考慮している.地盤は弾性体と仮定しているものの、地盤の剛性,先受けの剛性,土かぶりの値等を変化させたパラメトリック解析をすることにより,先受けの効果について今後検討して行く予定である.
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