研究概要 |
本年度の研究では遠心模型実験に使用できる切羽掘削ロボットにより,先受け工法の一つであるパイプルーフ工法採否の各場合における砂質地盤の変位特性について,掘削工法を変化させることによって定量的に明らかにすることが出来た。ロボットはロードヘッダを模擬して作成されており,その動きはプログラムにより3次元的に自動制御される.したがって,リングカット工法や全断面掘削工法など種々の掘削工法の違いが地盤挙動にどのように影響するかを明らかにできた。 実験で得られた成果の大要は以下のとおりである. 1)トンネルの施工手順を考慮できるロードヘッダを模擬したプログラム自動制御式トンネル模型掘削ロボットにより、先受け工のある遠心場実験を行うことが出来た. 2)本実験条件では,先受け工があればそれがない場合に比べて変位が1/4程度に抑制されることが認められた. 3)最終掘削状態が同一であれば,地盤の沈下および水平変位の値は掘削手順に影響されないことを確認した. 3)先受け工の存在する場合において,核残し掘削による地盤変位量は全断面掘削時に比べて非常に少ないことが認められた. 4)掘削の進捗に伴う変位増加特性を調べた結果,小さな核の存在でも沈下抑制に相当効果のあることが判明した. 一方、3次元有限要素法を用いたトンネル掘削解析を行い、先受け工が存在しない場合と存在する場合の地表面沈下量を比較し、先受け工の地盤変位抑止効果を定量的に明らかにすることが出来た。
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