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2003 年度 実績報告書

支持杭と地反力を併用した複合基礎の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15560434
研究機関長岡工業高等専門学校

研究代表者

尾上 篤生  長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (70332004)

研究分担者 井林 康  長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助手 (10321415)
近藤 俊美  長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (70042786)
小林 雅隆  長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (00042755)
藤田 豊  清水建設(株), エンジニアリング事業本部・原子力エンジニアリング部, 主査
キーワード支持杭 / 直接基礎 / 複合基礎 / 負の摩擦力 / 模型実験 / 軸力 / 軟弱地盤 / せん断強度
研究概要

軟弱層が厚く堆積する地盤において、支持杭と直接基礎を併用することは従来考えられなかった。これは軟弱地盤が沈下すると、沈下しない支持杭と一体化された直接基礎を下から支える地反力が低減し、その分杭に働く荷重が増大して、結局は直接基礎が有効に機能しないからである、そこで、地盤が沈下しても杭に作用する荷重を一定に保持し、直接基礎は地盤に追随して支えられる杭頭荷重制御機構を組み込んだ、新しい併用基礎構造を開発した。この場合、地反力は深さとともに、地盤より剛性の大きな杭に集中する。従って、開発した複合基礎の設計において、支持杭の先端支持力と杭体強度は、杭頭荷重だけでなく杭周地盤から受ける下向きの荷重に対しても十分安全でなければならない。
そこで本研究では、この複合基礎構造の杭軸力特性を把握するために、模型実験および数値解析によって杭軸力を調べた。実験は、地盤に建て込んだ杭と非接触の載荷板を直接基礎に見たててこれに荷重を載荷し、地盤の圧密沈下に伴って地盤から杭に集中する下向きの力を、寸法の異なる小型実験と大型実験の2種類で測定した。土槽内径と軟弱層厚は、それぞれ252mmx230mm、476mmx1000mmであり、模型鋼管杭の外径と肉厚は、それぞれ19.6mmと0.3mm、46mmと0.5mmである。土の内部摩擦角から簡易的に求めた計算値と、土の粘着力及び内部摩擦角で決まるせん断強度を持つジョイント要素を用いた数値解析による杭軸力の深度分布はほぼ等しいが、両実験による軸力は計算値の65%から100%の範囲であり、フルモビライスの負の摩擦力よりも小さいことが分った。この理由は、杭と地盤の境界面におけるスベリは、土日の破壊以前にこれより小さな摩擦力で生ずるからであろう。従って地反力によって付加される杭軸力は、土の強度から推定される負の摩擦力を考慮すれば、設計上は安全であると言える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 荻迫栄治, 石井清, 藤田豊, 山崎和彦, 尾上篤生, 櫻井隆喜, 中山一孝: "杭基礎と直接基礎を併用した基礎構造の杭軸力特性"第38回地盤工学研究発表会講演概要集. 1553-1554 (2003)

  • [文献書誌] 高橋匡史, 古川武英: "複合地盤における地反力の杭への集中と杭の引き抜き抵抗との関係"長岡工業高等専門学校環境都市工学科第5回生(Ci32回生)卒業研究論文集. 1-5 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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