研究概要 |
本研究の目的 長期間にわたって圧密形成された自然堆積粘土地盤は,二次圧密やセメンテーションなどの年代効果の影響を受けており,そのため土の構造が発達し見かけ上過圧密土の挙動を示し,土の力学的性質が変化していると考えられている.本研究では,深度および物理的性質の異なる洪積粘土を用いて,定ひずみ速度圧密試験により,粘土の圧密沈下挙動を調べた.これらの実験より粘土の二次圧密およびセメンテーションなどの年代効果の特徴が見出されるか否かについて検討した. 実験に用いた試料、実験方法について 実験に用いた試料は宇部港より採取した洪積粘土である.今回の実験では,14.00m〜29.00mの粘土層から採取した不撹乱粘土を用いた.これらの粘土より直径6cm,高さ2cmの供試体を作成し,定ひずみ速度圧密圧密試験を行った. 定ひずみ速度圧密試験では供試体にバックプレッシャーを加え,ひずみ速度0.01%/minで載荷を行った. 本研究の主な結論 本研究で得られた結論は以下のとおりである. (1)e-logp曲線の正規圧密領域において下に凸となるような逆反りの曲線を示し,降伏応力を超えた地点の圧縮指数が最大になる年代効果による特徴がみられた. (2)年代効果の程度の大きい試料については圧密降伏応力付近で急速に圧密係数が減少し,体積圧縮係数は圧密降伏応力付近で明瞭なピークを示す特徴がみられた. (3)液性限界の増加に伴い圧縮指数が増加する傾向がみられた.
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