研究分担者 |
江頭 進治 立命館大学, 理工学部, 教授 (00027286)
杉山 進 立命館大学, 理工学部, 教授 (20278493)
大上 芳文 立命館大学, 理工学部, 教授 (30203722)
梶島 岳夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30185772)
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 助教授 (50216933)
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研究概要 |
壁乱流のシミュレーション技術を向上させるために、本研究では新しい乱流測定技術を開発すると共に、:LES(:Large Eddy Simulation)における壁層モデル,および河床等における高濃度固液二相乱流の解析のための想定領域法を確立した。 測定技術に関しては、開水路乱流実験計測用のステレオPIV(Particle Image Velocimetry)技術を発展させた.まず,ステレオPIV法におけるカメラの理論的な配置法やカメラのキャリブレーション法に関する新しい知見を得た。また、今まで困難であった壁近傍流れの2次元PIVに対して,壁面におけるせん断率を直接に測定する新しい画像処理法を提案し、正弦曲線床の場合に実画像と精度よく対応することを確認した。さらにこの画像処理法をステレオPIVに適用した。 河床近傍の固液二相乱流の現象を解析するために、梶島らの「想定領域法」を発展させ、粒子濃度の高い流れの数値解析を次の通りに行い,満足な結果が得られた。まず粒子同士の接触過程を検証するために、回転円柱内のガラスビーズの過渡的な斜面崩壊のシミュレーションを行った。崩壊前の最大斜面角度および崩壊後の最小角度は、±1.5度の精度で実験結果と合っている。また、自由表面流れ,および掃流砂層を形成することのできる回転ドラムを作成し、その実験結果は2次元数値解析の結果と全体的に十分に一致した。これらの検証を行った後、球形粒子1500個を含む2重周期「ミニマルチャネル」領域内における移動床上の掃流砂のシミュレーションを実行し、粒子レイノルズ数が約15となるような平衡状態が確認できた。無時限掃流力0.06〜1.1の広い範囲において、Meyer-Peter Muellerの経験則によって予測される粒子フラックスの計算結果と、誤差20%以内で一致した。代表者の知る限りでは、掃流砂のDNSの計算が実現されたのは,本研究が初めてである。 粗面を対象としたLarge Eddy Simulation(LES)については、凸凹に作用する圧力抵抗のモデル化が重要であるが,未解決の課題である。そのために、任意の物体に働く圧力抵抗と表面における渦度発生過程を解析し、それらと流れの中の渦度の移流との関係を明らかにした。この関係式が上記の想定領域法やLES法のアルゴリズム開発の役に立つであろう。
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