研究課題
基盤研究(C)
開口部を有する人工リーフ施工事例より、沖側で局所洗掘現象が発生する。ここは、強い戻り流れによる定常流成分と入射波による波動成分の2つが合成された場所であり、局所洗掘による溝造物の沈下等による効果の低下が懸念される為、適切な開口部の幅の設定が必要である。本研究は、人工リーフ群設置後の開口部周辺の地形変化量を予測して適切な開口幅と端部処理を提案する事を目的とし、以下の6項目についてまとめた。1)現地の地形変化と波浪諸元の特性の調査、2)拡張型の強非線形Boussinesq方程式を用いた水位と底面流速の時系列変化の算出、3)開口部幅と底面流速の関係、4)開口部幅と端部処理の決定、5)底面流速を定常流と波動成分に分離してせん断力評価モデルの提案、6)現地の再現性の検討、である。1)はある海岸の設置前後の深浅測量図と波浪データを用いて、侵食域の発生位置等と波浪出現状況を整理した。2)は水位と底面流速に関し、数値計算の再現性の検証を行った。砕波に関する渦動粘性係数のパラメータを修正する事で、砕波に伴う高周波成分の再現性は不十分であるもの、水位と開口部から沖に向かう戻り流れとリーフ端部における循環流は再現された。3)は開口部比を3〜5とし周辺の底面流速を算出し、平均流速は開口部幅が狭い程速くなる事を示した。4)は、端部の形状を変化させた場合、法面勾配を緩くするより、平面的に形状を広げる方が底面流速を小さくする事を示した。さらに、漂砂量はリーフ付近での侵食域を再現した。沖側での侵食域は、開口比が大きくなると広範囲になり、リーフ付近での侵食域は、開口比に関係なく開口部付近で侵食が強くなっていた。5)は底面せん断力を定常流成分と非正弦的波動成分の合成として取り扱う計算ケースの漂砂モデルが最も再現性が良い事を示した。6)は季節別最多出現波向を修正し、最大有義波高の0.9倍で波の継続時間を考慮する事で、開口部沖側に発生していたすり鉢状の侵食場所と大きさを再現する事ができた。
すべて 2004 2003
すべて 雑誌論文 (12件)
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