近年の情報通信技術の発達はめざましく、特に携帯電話に代表されるテレコミュニケーションに関するモバイル通信は、我々の日常の生活行動に大きな影響を与えている。そこで本研究では、交通行動分析的立場から、モバイル通信と生活行動との関連分析を行うことを目的として、モバイル生活行動実態把握のための調査(SCAT)を実施するとともに、得られたデータに基づき、モバイル通信・生活行動パターンの類型化、さらにはデータマイニング手法の適用による1日の予定行動の調整過程におけるモバイル通信の関係性のモデル化等を試みた。その結果、SCAT調査データより、世帯内の構成員間の帯同行動(joint activity)における通信行動の役割・影響の実態を把握でき、また、データマイニング法の適用結果からも、通信と生活行動パターンの意思決定の関係をルール・ベースで表現することができた。これらの研究成果については、研究成果報告書としてとりまとめるとともに、一部は学会等で発表を行っている。
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