研究概要 |
本研究では,冬季の降雪確率のもと,各種の交通規制の出現確率を統計的に求め,さらに実測した速度分布から2地点間の所要時間信頼性および連結信頼性を求めるものである.平成16年度の研究成果は研究計画のとおり以下の通りである. (1)リンク間での交通規制の従属性の分析 平成15年度の研究で,天気予報を条件付き確率としたリンクの通行規制確率がリンク毎に求められた.しかしながら,これらの確率はリンク毎に独立しておらず,同一の気象条件下での従属性を伴ったものとなっている.この従属性を考慮するために,従属故障の一手法であるCommon-Cause Failureの手法を用いる.このために,天気予報別,交通規制種別毎のデータベースを対象に,リンク間での相関係数マトリックスを作成する.得られたマトリックスを対象に,クラスター分析あるいはヒューリスティックにCommon-Causeとなる区間を同定した. (2)速度変動の説明モデルの構築 需要側の速度変動の説明モデルを構築する.高規格道路では,交通量が飽和状態ではなく円滑状況である場合が多い.このため,都市域では現実的な仮定となる交通需要の変動によって所要時間が変動するような構造の従来のモデルでは説明ができない.追い越しが可能であることからユーザーは個々の希望速度をもっており,希望到着時間が存在していると仮定する.また,追い越し可能といえども追従を余儀なくされる場合も多く,またより高速で走行したくともドライバー各自には上限の速度が存在すると仮定する.この仮定に基づいて,実地にフローティング調査等を行い,高速道路の区間の速度分布を観測する.観測した所要時間分布を,x^2検定し,分布形状を特定する.これをもとに,各種規制下における速度および所要時間の確率密度関数を作成した.
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