研究課題/領域番号 |
15560468
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
村尾 直人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00190869)
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研究分担者 |
山形 定 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80220242)
太田 幸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00100058)
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キーワード | ディーゼル微粒子 / 浮遊粒子状物質 / リスク評価 / モニタリング / 測定装置の開発 / VOC / PAH |
研究概要 |
浮遊粒子状物質(SPM)による大気汚染問題は、大都市域を中心に依然として深刻な状態にあり、特にディーゼル黒煙(黒色純炭素粒子)に由来する健康(発ガン)リスクは、人をとりまく環境因子の中で最も大きいものであると推定されている。本研究の目的は、浮遊粒子状物質の構成成分として最も重要と考えられる黒色純炭素粒子について、(1)本研究班で開発した小型測定装置を用いた長期にわたる都市規模のフィールド調査を行い、その結果を用いたリスク評価および発生源同定を行うこと、(2)低公害車の導入がどの程度都市大気汚染を軽減できるかを明らかして新たな施策提言を行うこと、にある。 本年度は、フイールド調査に用いる各種測定法の検討を行った後に、札幌市内の大気汚染測定局において、一年間にわたる観測を開始した。 測定法の検討では、まず本研究班が開発した黒色純炭素連続測定装置の性能評価を行い、本装置で得られる体積吸収係数と従来法で分析した黒色純炭素濃度との間に高い相関を得た。すなわち、本装置は都市の黒色純炭素を連続測定する装置として十分な性能を持っている。次に、揮発性有機化合物(VOC)の測定に関して、長期平均濃度を算出するためのサンプリング法の検討を行った。毎日のサンプリングによる日平均濃度と連続サンプリングを行った試料濃度との比較から、一週間のサンプリングが可能であり、それをもとに長期平均濃度を算出することとした。 以上の検討をもとに、札幌市内の大気汚染測定局10局において、一年間にわたる観測を開始した。観測項目は、黒色純炭素濃度、揮発性有機化合物濃度、多環芳香族炭化水素、重金属濃度などである。また、次年度に予定している解析の準備として、短期集中サンプリングを非積雪期と積雪期の2回実施し、各種汚染物質の濃度変動からディーゼル排気微粒子濃度を推定する解析方法について検討を行った。
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