研究概要 |
(1)昨年度設計した流量計、雨量計、オートサンプラーなど一連のCSO連続観測システムを稼動させた。それによって今年度は、8ヶ月間連続したCSOモニタリングに成功し、その手法を確立することができた。 (2)長岡市におけるCSOが占める汚濁負荷は、CSOの流量は年間放流量の7%程度であるのに対し、その負荷量はSS、BOD共に30%以上を占め、CSOによる汚濁物の流出が大きいことが判明した。 (3)CSO連続観測の結果、今まで明らかとなっていなかったファーストフラッシュ、雨水による希釈、断続的越流、冬季間の消雪パイプによる定常的越流などCSO特有の水質挙動が明らかとなった。また、ファーストフラッシュによる濃度上昇は路面、管渠内の堆積物の影響が多大であり、堆積物の除去がCSO対策として有効であることが判明した。 (4)CSO負荷削減対策として貯留を提案した。CSO吐き口における越流負荷削減のために必要な貯留規模を算出した結果、5,000m^3で年間負荷量を半減させることが分かり、その貯留規模は降雨量に換算すると3.5mmであった。また、越流負荷を分流並の負荷量にまで削減するためには10,000m^3でも不足し、処理場の能力も考慮した結果、5,000m^3の貯留に加えて他の改善対策との併用がもっとも有効であることが分かった。 (5)一方、流出解析ソフトMOUSEを用いて長岡市の合流式下水道区域における管渠網を再現することができた。これをもとにして、得られた連続観測のデータを用いることによって新たな流出解析手法が可能となる。
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