• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

ラフィド藻G.semenのブルーム発生・消減の支配要因の解明と湖沼質改善

研究課題

研究課題/領域番号 15560471
研究機関長崎大学

研究代表者

古本 勝弘  長崎大学, 工学部, 教授 (50037892)

キーワードGonyostomum semen / 植物プランクトン / メソコスム / 日周期鉛直移動 / 湖沼水質 / ブルーム / 制限因子
研究概要

湖沼の富栄養化はプランクトンの異常発生(ブルーム)をもたらし、親水・景観用水としての価値逓減、利水に際しての着臭や浄水コスト増大、水中生物の斃死などを惹起する。長崎県下では数多くの小貯水池や湖沼に水資源を頼っているが、その多くが植物プランクトンの発生に悩まされている。それには蓄積した栄養塩を利用する植物プランクトンの発生が大きく影響している。その中で注目すべき植物プランクトン・ラフィド藻Gonyostomum semenのブルームが毎年高密度に発生することが明らかになった。この種は、遊泳能力をもち比較的大型(70μm)で水中に1m程の薄い層をなして集積する性質があること、また年間に数度発生・消滅を繰り返すことが分ってきた。
具体的には現地にメソコスムを設置し、詳細な調査により以下のことが明らかとなった。
1.G.Semenのブルーム発生・消滅の要因について:成層期の低層は貧酸素となり、NH_4-N,PO4-Pが溶出し常時豊富に存在するが、降雨後にブルームの発生があることから、降雨によって供給されるNO_3-Nがブルーム発生の重要な要因であり、制限因子であること、NO_3-Nを使い尽くすと死滅することも明らかとなった。
2.G.Semenの鉛直日周期運動を支配する条件について:この種は弱酸性の水域に棲息し、走光性であり日中光を求めて上昇移動するが、pH8を超える水域にまでは上昇し得ず、その直下に高濃度に集積する性質があること、また、光のない夜間は下降移動し栄養塩PO_4-Pを摂取することも明らかになった。
3.G.Semenのブルームを発生させない対策について:メソコスムにより隔離しNO_3-Nを供給しない状態に置くと1週間で30%以下にプランクトン量は減少することから、NO_3-Nの流入を止めることが有効であることが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] ラフィド藻Gonyostomum semenのブルームの特性とその鉛直移動に関するメソコスム実験2005

    • 著者名/発表者名
      古本勝弘
    • 雑誌名

      水工学論文集 第49巻

      ページ: 1189-1194

  • [雑誌論文] ラフィド藻Gonyostomum semenのブルームとその日周期鉛直移動への影響因子2004

    • 著者名/発表者名
      古本勝弘
    • 雑誌名

      水工学論文集 第48巻

      ページ: 1333-1338

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi