産業分野別の物質フローを詳細に解析するための基本情報として、全国貨物純流動調査(以下、物流センサス)を活用したMFA(マテリアルフロー)データベースを構築した。 詳細な品類別の都道府県間年間流動量については、物流センサスの「年間調査」から求めた品類合計の都道府県間流動量を「3日間調査」から求めた品類構成比(都道府県間別)で配分し、「工業統計表産業編」の「製造品出荷額等」と「原材料使用額等」を用いて配分率の補正作業を行った。補正の対象産業は製造業中分類業種であり、各都道府県において実際の製造業種構成や取引状況を反映した品類品目ごとの出荷量と入荷量の収支に基づいた投入資源の物質フローを地域と産業の2次元で評価することが可能となった。 物流データからは把握が困難な「原材料としての水の循環利用」については、「工業統計表用地・用水編」の「原料用水・淡水」と「原料用水・海水」を算定に加えることで製造業中分類別に評価した。さらに、輸出入による資源や製品のフロー分析に利用するデータについては、「港湾統計(年報)」から「品種別都道府県別表(輸移出入)」を輸出入データとして評価した。一般廃棄物に関するデータについては、市町村別「一般廃棄物処理事業実態調査」を用いて、「総ごみ量」を「生活系一般ごみ」と「事業系一般ごみ」の合計値として評価した。産業廃棄物量に関するデータは、各都道府県の産業廃棄物処理計画に記載されている産業分野別で利用可能なデータを積み上げた。 地域や産業分野別の経済活動量の示す指標としては、都道府県別「県民経済統計年報」等の経済活動別県内総生産や工業統計・商業統計等を用いて、資源・副産物・廃棄物のフローに組み込んだ。
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