資源・副産物・廃棄物のフローの評価対象としての具体的な環境負荷を定量的に統括評価することを目的として、処女資源投入量、副産物・再生資源投入量、エネルギー消費量、二酸化炭素排出量および廃棄物最終処分量(焼却灰埋め立て量を含む)の5項目について廃棄・副産物質の流れを考慮した総物質フロー分析を多角的に遂行した。前年度に構築した物流センサスベースのデータに加えて、地域単位と産業単位での取引状況を評価するために産業連関表を全国物流データに連結した。また、昭和60-平成2-7年度全国接続産業連関表と平成7年度地域間産業連関表を組み合わせることにより、製造業、建設業、鉱業など主要な第2次産業分野における地域間の物質フローと経済取引状況を統計的に解析した。さらに、平成11年商業統計表による市町村単位の第3次産業分野の活動状況と前年度に整理した一般廃棄物および産業廃棄物のデータを連結することにより、地域単位の消費活動にともなう廃棄物発生から処理処分までの流れをデータベース化した。以上の研究を実施することにより、日本国内の資源・副産物・廃棄物の詳細なフロー分析に基づいて、地域特性と産業構成に着目した「社会システムとしての循環度」を評価することができた。あわせて、地域ごとの産業活動に起因する資源と廃棄物の循環、製品の流通形態の違いを適切に表現できているかについて総括するとともに、総合的な循環型社会指標のあり方を提示した。
|