研究課題/領域番号 |
15560480
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
源栄 正人 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90281708)
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研究分担者 |
大野 晋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40361141)
佐藤 健 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90290692)
井上 範夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50250725)
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キーワード | 1978年宮城県沖地震 / 仙台地域 / 地震動分布 / 地盤構造 / 耐震改修 / 3次元波動伝播解析 / 建物被害評価 |
研究概要 |
仙台地域は発生確率が極めて高い(地震調査研究推進本部の発表で今後20年における発生確率が80%)宮城県沖地震の襲来を受ける地域であり、構造物の耐震設計や耐震改修、さらには構造物群を対象とした地震被害予測においては地域の地震環境と地盤環境を適切に考慮し、目的に応じた最適な耐震設計、耐震補強、地域の地震防災対策を追求することが大切である。しかし、その前段階として、地域の地盤構造(表層地盤構造ばかりでなく深部地盤構造も)を考慮した地震動分布を精度よく解明し、地域における過去の地震被害分布の解釈をより適切に行うことは、将来の地震被害予測の高精度化において不可欠である。 平成17年度の研究として、以下の検討を行った。 1.仙台市南部地下構造調査の情報、および、既存の強震観測網と平成15年度に設置した地震観測網に基づく地震観測記録を用い、仙台地域の地下構造を再評価した。2005年8月16日の宮城県沖地震による観測記録など記録を用いて観測と解析による卓越周期の検討により地盤構造モデルの検証を行なった。最新の深部地下構造モデルを用いた3次元差分法による8月16日の地震観測記録の3次元波動伝播シミュレーション解析を行なうとともに1978年6月12日の宮城県沖地震における仙台地域の地震動分布の再評価を行なった。 2.再評価した仙台地域の地震動分布に基づき、まず、1978年の地震においてRC造の全戸調査を行った長町地区、卸町地区、上杉地区について被害状況の再検討を行なった。これまで十分に説明できなかった3地区の被害ランクの違いが地震動特性の再評価により説明できるようになった。次に、構造物の耐震設計・耐震診断補強に関して、地域の地盤環境を考慮した公共建築物の耐震改修支援システムの検討を行った。さらに、地盤による地震動の違いを考慮した木造建物の耐震改修効果の評価法や、行政担当者向けの木造建物群の耐震改修支援手法に関する検討も行なった。
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