研究概要 |
先ず,平成15年度に引き続き,大空間構造および曲面構造物に作用する定常空気力の特性の把握と合理的な耐風設計法の検討を行った。検討した課題は以下の通りである 1、円形平面をもつ陸屋根に作用する風圧のモデル化と構造骨組および外装材用風荷重評価への応用(2004年6月オタワで開催されたBBAA Vおよび2004年12月の風工学シンポジウムにて成果発表) 2、球形ドームに作用する風圧のモデル化および風荷重評価へのaerodynamic database,ニューラルネットワーク並びに時刻歴シミュレーショシの応用(2004年12月の風工学シンポジウムおよび2005年9月にソウルで開催されるAPCWE2005にて成果発表) 3、翼型に似た断面をもつ曲面構造物の風荷重評価(2004年12月の風工学シンポジウムおよび2005年7月プラハで開催されるEACWE2005にて成果発表) 特に,2.は球形ドームを対象とし,性能設計に対応できる新しい風荷重評価方法を提案したものであり,その都度風洞実験を行うことなく,信頼性設計や疲労設計にも利用できる風荷重を比較的簡便に評価できる。今後,円筒形屋根も含め,幅広く曲面屋根を対象とした風荷重評価システムを構築する予定である。 次に,大空間構造に作用する非定常空気力の特性について検討した。既往の研究成果をreviewし,その特性の把握と風応答解析上での課題整理を行った。また,強制振動実験の準備を行った。しかし,コンピュータ制御システムや強制振動装置のトラブルが発生し,それを解決するために多くの時間を要したため,非定常空気力に関しては,現在のところ纏まった成果を得るまでには至っていない。引き続き,研究を継続する予定である。
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