研究課題/領域番号 |
15560489
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
田才 晃 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40155057)
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研究分担者 |
長田 正至 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40282959)
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キーワード | 鉄筋コンクリート / 柱 / 軸力支持能力 / 部材角 / データベース / 繰り返し履歴 / 破壊形式 / 帯筋量 |
研究概要 |
既往の独立柱に関する構造実験において、柱が明確にその定軸力を支持できなくなる軸力支持限界についてデータベースを作成し、帯筋量・コンクリート強度・せん断スパン比・軸力比・載荷履歴等が、定軸力支持能力喪失部材角に及ぼす影響について検討した。データベースは過去十年間の間に発表されたコンクリート工学年次論文集及び建築学会学術講演梗概集から、具体的に定軸力を保持できなくなったとの記述のある鉄筋コンクリート柱試験体を収集した。定軸力喪失部材角は、定軸力を支持できなくなった時点までに試験体が経験した最大の部材角と定義した。収集した試験体は定軸力の下で単調載荷あるいは一方向及び二方向繰り返し載荷が行われたもので、全101体である。データベースの分析から明らかとなった主な事項は以下のとおりである。 ・定軸力喪失部材角には複数のパラメータが相互に影響し合っているが、破壊形式、軸力比、帯筋量の影響が大きい。 ・帯筋量の増加にともない、定軸力喪失部材角は増加する傾向が見られるが、増加の程度は軸力比が高い場合、およびコンクリート強度が高い場合において低くなる傾向がある。 ・繰り返し履歴の定軸力喪失部材角に及ぼす影響は柱の破壊形式により左右され、脆性的な部材においては繰り返し履歴の影響はほとんどないが、靭性のある部材においては大きな影響がみられる。 以上の分析結果を受けて、鉄筋コンクリート柱の破壊形式、加力履歴等を変数とした構造実験を計画し、その実施と結果の分析を進めている。
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