研究概要 |
諏訪盆地内でアレイ観測4地点,一点移動観測70地点で実施した。アレイの観測点は正三角形の頂点と中心1点の4点であり,その半径は30m〜600m程度である。アレイ観測結果を解析し,レイリー波の位相速度の分散曲線をもとめた。同定されたせん断波速度は最大で3km/s程度である。これを,遺伝的アルゴリズムを用いて解析し,同定された位相速度の分散曲線に適合する地盤のS波構造を推定した。推定したS波構造は,地下3km程度までであり,せん断波速度にして3km程度である。この構造は地質断面図,ボーリングデータや他の地下構造に関する研究結果などの先駆的情報と整合性があり,妥当なものだと考えられる。 一点移動観測の結果を元にH/Vスペクトルを計算した。この結果とボーリングデータを用いてせん断波速度にして1km/s以下の地層の地盤構造を明らかにした。これによって岡谷地区を除く諏訪盆地のほとんどの地域において地盤のS波構造が明らかになった。今後はこの構造をもとに地盤の応答解析を行い異常震域となっている原因を解明する予定である。
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