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本研究の目的は、地震後の損傷が少ない構造形式であるコア壁に制振装置を組み込んだ耐震要素を持つ、CFT柱-フラットプレート構造の柱スラブ接合部として、パンチングシアーに対する抵抗力があり、CFT柱の施工時の自立性に優れた小鉄骨梁内臓のフラットプレート構造を考案し、接合部の構造性能を実験・解析的に評価して、大地震時の耐震性能が良好で、かつその後の修復性が良好な、環境負荷の少ない構造形式の設計方法の確立を図ろうとするものである。
本年度は、静的・動的弾塑性解析により得られたCFT柱-フラットスラブ接合部における要求性能に基づくCFT柱-フラットプレート接合部の耐荷機構と設計手法の確立を目指した実験研究を行なった。
既往の研究成果に基づき、接合部での耐荷機構を 1)接合部前後面のせん断力
2)接合部側面のねじり抵抗モーメント
に分離し、それぞれの寄与分を算定するための柱-フラットプレート接合部実験を行い、また、フラットプレートのパンチングシアー耐力およびねじり破壊耐力を検討するため、それぞれの要素試験を行なった。
接合部実験結果より、パンチングシアー破壊はRC規準式で安全側に評価できること、柱前後面のせん断力とモーメント、柱側面のねじりモーメントが作用した場合の危険断面位置が把握でき、ねじり要素実験結果より得られた結果とあわせて、耐荷機構に関するマクロモデルの基本形を構築し、それぞれの構成要素の復元力を設定することにより、全体としての復元力特性を求めることが可能であり、これを用いてパンチングシアーに対する安全性の検討ができることを明らかにした。また、パンチングシアー要素試験結果より、本接合部のパンチングシアー耐力は、コンクリート断面、スタッド、接合プレートを有効として計算できることが明らかになった。
また、得られた結果を用いて、提案した接合部の設計手順の基本案を提案した。
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